祖父の字と書道

2017年05月09日 13:40


昨日マッサージにいらした書道の先生とそのお弟子さん達の作品展が5/10〜5/15大宝堂地下のアートスペースであるそうです。
私も時間を作って作品展にお伺いしたいと思っています。

書道と言えば、私の祖父が、私が小さな頃お寺の住職をしながら習字を教えていて、小さな頃の私もそれを習っていたんです。

多分、今思うに、書と向き合う前に先ずは自分と向き合う所から、という事だったのかな?と思います。

祖父とのお習字の時間では、字を書く前に必ず硯で墨をするんです。
小さな頃の私には、あの作業がどうしても苦痛でした。

正座で背筋を伸ばし、なかなか黒くならない墨を泣きながら小さな手ですっていた記憶があります。
いつも優しい祖父がお習字の時は厳しい顔つきになるのも苦手でした。

七夕の前になると、必ず早朝に起こされて、里芋の葉に溜まった朝露を祖父と集めてまわり、それで硯で墨をすり、短冊に願い事を書くという、当時の私には気が遠くなるような憂鬱な1日でした(笑)

学校の習字の時間にも事前に家で墨をすって容器に入れ替えて持って行っていた私、小学校3年生の時祖父が亡くなって、町の別の書道教室に行き始め、初めて墨汁と言うものを知りました。
なんだ!こんな便利な物があるんじゃん!!
あの時の感動ったら(^^;

そして月日は流れ、私が大人になったある日、母の友人のお母様が亡くなられお悔やみにご自宅へお伺いした時のこと、壁に掛けてあった掛け軸を見て、何故か涙が出てきました…
「これは!!!…」
その掛け軸は亡くなられたお母様が書かれた物という事で、私の瞼の裏の祖父の字と重なる物があるんです。
聞けば、そのお母様は私の祖父のお弟子さんだったとのこと。

大好きだった祖父が、その方の字の中に生きてるんです。
そうか!!こういう事なんだ!
なんで私は祖父が亡くなる前にもっと祖父の字と向き合わなかったんだろう…
墨をする所で挫折してしまっていた事をとても後悔しました。。。

残念な事に、母も、多分墨をする所で挫折した派らしく、母の字の中にも祖父は居ません(^^;

やっと今、あの七夕の前のあの時間の貴重さも素敵さもわかる歳になり、いつかまた硯で墨をするあの時間を持てるようになるといいなと改めて思います。

瞼の裏の祖父の字はもう随分輪郭もボヤけてしまっています。
五十歳になったら時間を作って好きな字の先生を探し書道を習いに行こう。
それが今は何年後かの私の未来の楽しみのひとつです。